少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

高校野球 私と娘を繋いでくれたもの

最後の夏は・・

想像以上に早くやって来ます。

車内の貴重な時間

私には3人の子供がいます。

長女は小学校1年からリトルリーグに入団し中学はソフトボール部へ・・

高校もソフトを続けると思っていましたが

『私は高校野球に携わりたい』

そう言って高野野球のマネージャーになりました。

部員約130名の大所帯。

選手の30分前に行き・・

選手の30分後に帰る。

想像以上に大変な高校生活だったと思います。

私も仕事や野球の指導が忙しく・・

家で彼女と話す時間はほとんどありませんでした。

話しが出来るのは送迎の車だけでした。

その車の40分足らずの時間が私にはとても楽しく貴重な時間でした。

『最近〇〇が調子いいんだよ!』

『昨日〇〇がホームラン打ったんだよ!』

部員の喜びをまるで自分のことのように話す娘の顔はいつも笑顔でした。

人を応援することは損得じゃない。

私はその事を娘から教えてもらいました。

次があるよ・・

最後の冬が終わり・・

春大が終わると・・

最後の合宿・最後の遠征・最後の練習試合・・

最後の・・という言葉が多くなってきます。

私は娘が試合で負けた後に

『次があるよ!』

そう言ってきました。

最後の夏に負けた時・・

もうこの言葉を使えなくなるなあと思っていました。

そして・・

楽しみだった車での会話も終わりが近づいてくることを感じていました。

車内でかかる歌は娘が編集した熱闘甲子園の歌ばかり・・。

特に・・コブクロさんのダイヤモンドが好きで・・

車内にはいつもこの曲が私たちの会話のBGMでした。

娘に聞けなかったこと

最後の夏・・初戦。

娘をいつも通り学校まで送りました。

私は娘にどうしても聞いておきたいことがありました。

今までも聞こうと思っても・・

聞けないことがありました。

兄と弟が野球をやり始め・・

娘は嫌々野球を始めたのではないか。

本当は・・

野球をしたくなかったのではないか。

そう思う気持ちが私の中でずっとありました。

学校について車を停め・・

『お前・・本当は野球をやりたくなかったんじゃないか?』

そう聞くと

『いや・・今の私に野球がないことは考えられない。パパ・・私に野球を教えてくれてありがとう』

そう言っていつもの笑顔で娘は答えてくれました。

娘が車を降りた後・・

私はとめどなく涙が溢れ始め・・

嗚咽のように一人で泣いたのを覚えています。

車内にはその時もダイヤモンドが流れていました。

野球が・・

あの夏から約4年・・

娘は今日大学を卒業しました。

最近ではあの時以上にお互い忙しくなり・・

話す機会もほとんどありませんが・・

私と娘をずっと繋げていてくれていたのは野球であり・・・

きっとこれからも野球が私と娘を繋げてくれるものになることでしょう。

今日は久しぶりにダイヤモンドを聞いてみようと思います。

~年中夢球~

 

 

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。