少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球 優勝候補と言われたチームが勝てなかった理由

私のある年代のチームのお話です。

優勝候補と言われたチーム

彼等は一人一人の技術は高いものを持っている子でした。

他チームの監督さんからも

『本間さん、今年のチームは強いでしょ?』

『優勝候補だね』

そんな言葉を掛けて頂きましたが・・

僕自身はこのチームで1年間戦っていけるのだろうか?

そんな想いのほうが強くありました。

野球をする技術は個々にあってもチームとして機能していないのです。

一人一人が自分のことしか考えず・・

チームのことを考えているようには見えませんでした。

野球は個々の技術だけでは勝てませんから。

チームより自分

初めての公式戦・・

彼等は準決勝で敗退しました。

敗れた彼等たちは

『俺のホームランすごかったべ!』

『俺、今日3安打!』

こんな風に・・

負けたことより自分のことしか頭にない発言をしていました。

どうこのチームを立て直すか・・

私の頭の中はそのことで頭がいっぱいでした。

次の大会・・

彼等は1回戦で敗れました。

この時に半分ぐらいの選手はもう気が付き始めていたのだと思います。

このままでは勝てないことを。

しかし・・

まだ半分ぐらいの選手はこの力で勝てると・・

考え方が2分した選手に分かれました。

チームが変わる日

次の公式戦は・・

初戦コールド負けで敗れました。

中継ミス・挟殺プレーのミス・バッテリーエラー・・

そして打線は全く繋がらず・・。

試合後のミーティング。

私は普段ミーティングには参加しませんがこの時だけは参加しました。

チームが大きく変わるチャンスだったからです。

さすがに彼達はうなだれ涙を流している選手もいます。

『中継ミスや挟殺プレーのミス・・・君達はチームとしてのプレーが全くできていない結果だったんじゃないかな。チームとして君達は負けているんじゃないか』

そう彼等に話しました。

『僕のせいです』

『いや・・僕せいです』

何人かの選手がこう言いました。

『僕が・・僕が・・っていうことは【僕たち】で負けたんだよ。この試合をきっかけに、僕たちというチームになったらどうか?君達を変えてくれる大きな試合になると思うぞ』

そう話しました。

全員が泣いていました。

その後・・

子供達だけでまたミーティングをしている姿がありました。

翌週から・・

周りへの声がけ・チームバッティングへの意識・グラウンド整備・・

彼等は別人のようなチームに変わっていきました。

最後の公式戦・・

彼等は優勝して神奈川の頂点に立ちました。

優勝した瞬間・・

泣きながら抱き合っている姿を見ると

正にチームで勝ち取った優勝でした。

そして・・

あのコールドで負けたあの試合が彼等を変えさせてくれた試合だったのは言うまでもありません。

~年中夢球~

 

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。