少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球 なぜ彼は監督を辞めなければならなかったのか

少年野球の監督になった私の友人の話です。

チーム方針とは何か・・考えさせられる話でした。

チーム方針

少年野球と一言に言っても本当に色々なチームがあります。

厳しい練習をして優勝を常に狙うチーム。

勝敗に拘らず楽しい野球をするチーム。

私は色々なチームがあっていいと思うんですね。

子供と親の考え方が多様化している現在、色々な選択肢があっていい。

親御さんと子供がどういう景色を見たいかを考えて

チームを選択すればいいと思っています。

友人のこの彼は数年前から監督になりました。

・親の当番一切なし

・勝ち負けの楽しさではなく試合の楽しさを知ってもらうために試合には全員出す【公式戦も】

・練習は午前中のみ

・塾や他の習い事で休むのもOK

監督になる時に…

『こういう方針でチームを運営していこうと思うんだがどう思う?』

と相談されたことがあります。

私が彼に言ったのは

『チーム方針に正解や不正解はないよ。お前がどういうチームを作りたいかだと思うよ。ただ入団する時に曖昧にせずに方針を必ず伝えたほうがいい』

そう伝えました。

順調だった初期

彼のチームは今のニーズに合ったのか・・

地元でも評判になり・・

あっという間に人数が増えていきました。

勝ち負けという野球の楽しさよりも・・

全員が試合に出て野球の楽しさを知ってほしい・・

彼はそう話していました。

中学や高校になると・・

試合に出られなくても試合に出られない子が多くなる・・

だからせめて小学校の時は全員に試合に出したいんだ・・

こうも話していました。

彼は最初の方針通り全員を試合を出していました。

最初は上手くいっていました。

最初は・・。

ズレ始めてくる親と監督

 

人数も多くなってくると・・

色々な意見も出てきます。

彼から相談があると連絡が来て会いました。

全員試合に出す・・

と最初に話したにも関わらず親御さんから不平不満が出始めたそうです。

『勝てる試合なのに何で全員出すんだ』

『何で練習で休んでいる人間を試合に出すんだ』

こんな風に・・。

『本間・・お前だったらどうする?』

そう彼が聞いたので・・

『どうするって・・これおかしくないか?入団の時にきちんと説明したんだろ?それで納得して入団したんだから・・ただ・・』

と言うと

『ただ・・なんだ?』

と彼。

『お前はどうなんだよ。方針が変わったのか?』

と聞くと

『いや・・俺は何も変わっていないよ』

と答えたので

『じゃあ、変える必要ないだろ。その方針だから入ってきてくれているんだから』

と彼に伝えました。

チーム方針とは何だったのか

数週間後・・

彼から連絡が来ました。

『チームを辞めた』

と・・。

結局あの後・・

力の強い親のほうに負けてしまい・・

【全員試合に出す】

という方針を崩してしまったそうです。

勝ち負けの楽しさではなく・・

と言っていた方針を変えて・・

大事な公式戦で勝ちに行ったそうです。

その結果・・

親からの猛反発に合い・・

たくさんの退部者を出してしまい・・

自分の中でももう監督を続ける自信がないということでした。

彼は最後に私にこう言いました。

『ブレてしまった・・』

と・・。

チーム方針の大切さを考えさせられる出来事でした。

皆さんのチームにはきちんとチーム方針があるでしょうか?

そして・・

子供・指導者・親御さんが一つの方向を向いているでしょうか?

~年中夢球~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。