少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球 一人の親の「善意」が全員の「義務」に代わり『ルール』に変わる時

少年野球は保護者の人たちの協力のお陰で成り立っています。

日々チームのために協力してくださるお父さん・お母さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

親御さんの「善意」はとてもありがたいのですが・・

その「善意」がいつの間にか「ルール化」されてしまったものがあるのかもしれません。

ケース1 お茶当番

一人のお母さんが、何かメモをとっているのを見ると…

○監督→コーヒー(ミルクあり、砂糖なし)

○Aコーチ→コーヒーが飲めないのでお茶

○Bコーチ→コーヒー(BLACK)

飲み物を出すタイミングまで記載されていたりします。

最初はお母さんたちが善意でお茶やコーヒーを出していたことが・・

時間を追う毎にルール化されてしまった。

これが「お茶当番」が出来たきっかけなのかもしれません。

大人のためだけのお茶当番なら必要ありません。

こういった事が実は少年野球界には多く存在しているような気がします。

ケース2 子供のグラコン

冬練の時にグラコンを来て練習を始める選手。

アップの途中からグラコンを脱ぎ出す選手達。

一人のお母さんがグラウンドに入って選手のグラコンを畳始めました。

「お母さん…どうされたのですか?」

と尋ねると

「昨日、別のお母さんがそうされていたので…」

「善意」でやられた行動でしょうが…

自分で脱いだ服は自分で畳むことが当たり前なので・・

今後はしないようにお願いしました。

ケース3 差し入れ

「ケーキを作ってきたので監督・コーチで食べてください」

あるお母様がそう言ってケーキを作ってくれました。

もちろんお母様からすると

「子供がいつもお世話になっている」

という「善意」の気持ちからでしょう。

翌週…

「これ…昨晩作ったのでスタッフの方で食べてください」

数名のお母さん達が何かを作って持ってきてくれました。

もちろん「善意」の気持ちからだとは思いますが・・

先週のお母さんの行動から

「私もやらなくては」

と思ってしまったお母さんもいるかもしれません。

「差し入れ」はありがたいのですが・・

お気持ちだけで充分ですので・・

今後はお持ちいただかないようお願いしました。

善意の押し売りは…

「善意」がいつの間にか「ルール」に変わり義務化されてしまったことが

少年野球やクラブチームにはあるのかもしれません。

チームの規則に

「えっ…こんなことも規則なの」

とお思いになったことってありませんか?

それはおそらく過去にそういう事実があったからなのです。

そういう揉め事が起こらないようにと予め「規則」としていることも「運営側」の立場からすると理解出来る場面もあります。

一人一人人間は考えが違います。

「善意」の捉え方も違います。

一つ間違えてしまえば一人の「善意」が全員の「義務」に代わり『ルール』に変わることもあります

大変難しい問題ですね。

ただ…

「私はこれだけやってるんだからあなたもやりなさいよ」

「私はチームのためにこれだけしたのに…」

こういう「善意の押し売り」はある意味「悪意」になります

「善意」とは損得勘定を考えない行動ですから。

ただその「善意」をいいものだから皆でやろうとなればそれは「ルール」になります。

一人一人の考えや環境は違います。

「ルール」にすればそれは自分達の代だけでなくチームに残っていきます。

皆さんで納得するまで話し合われることが大切です。

~年中夢球~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。