少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球 『声を出せ!』と言う前に確認してほしいこと

ウチのチームは声が出ません。

一度・・

グラウンドに来ていただけないでしょうか?

声が出ません

そんなご相談を頂きました。

講演会をさせていただき・・

そのまま練習を見学させていただきました。

バッティング練習の時・・

確かに『声が出るチーム』になっていません。

指導者の方が

『声を出せー』

と子供たちに言うと

『バッチコーイ』

と言いますがすぐにまた元の状態に戻ります。

『いつもこんな感じなんです・・』

と監督さんが苦笑いして私に話してくれました。

ライトを守っている選手に声を掛けました。

『今・・何考えてる?』

と聞くと

『暑いなあと・・』

答える選手。

『本当だね・・暑いね。でもがんばろうか。君と同じように暑そうだなあと思っている選手は誰かな?』

そう尋ねると

『レフトのあいつがそんな感じです』

と答えてくれたので

『じゃあ、そのまま言ってあげてよ』

と言うと

『えっ?そのままですか?』

と言うので

『暑いけどがんばるんだろ?思っていることをそのまま伝えてあげて。喜ぶと思うよ』

と言うと

『おい!〇〇!暑いけどがんばろうぜ!』

とレフトの子に声を掛けてくれました。

声を回す

今度は声を掛けてもらったレフトの選手のところに言って声を掛けました。

『君は今ライトの子に声を掛けてもらったから今度は君が誰かに声を掛けようか』

そう言うと・・

ちょっと困った顔をしたので

『何でもいいんだよ。感じたこと思ったこと・・じゃあさ・・セカンドの子はどんな感じ?』

と聞くと

『いい声だしていると思います』

と答えてくれたので

『じゃあ、そのまま伝えてあげてよ』

と言うと

『セカンド!いい声出てるよ!』

とセカンドの選手に声を掛けてくれました。

今度はセカンドの選手のところに行きました。

その後・・

順番に各ポジションの選手の所に行きました。

そして選手全員を集めました。

『声は出すものだけど回すものでもあるんだよ。バッチコーイはピッチャーが投げる直前だけでいい。それまでは思っていることや感じたことを言うようにして声を回そう』

そう話しました。

指示の声

今度はゲームノックの練習です。

指導者の方がワンアウト2・3塁。

ノーアウト1塁。

などを想定してノックを打っています。

確かに声が回るようになったのですが・・

指示と確認の声が出ません。

監督さんに一度ノックを止めてもらい全員に聞いてみました。

『ワンアウト2・3塁で点数が入るケースは何があるかな?』

タイムリーヒット・ワイルドピッチ・パスボール・犠牲フライ・スクイズ・セフティスクイズ・ツーランスクイズ・ゴロゴー・・

考えられる状況は数限りなくあるわけです。

『犠牲フライの時に外野手に何て声かけるかな?』

と聞くと

『後ろから来いよ』

『カットまで正確に』

『肩回しとけよ』

と子供たちは次々に答えてくれます。

『じゃあその声を外野手に言ってみようか』

と言うと

『外野!犠牲フライあるぞ!後ろから来いよ!』

『レフト!カットまでね!』

そんな声が回り始めました。

『スクイズの時はどうかな?』

『パスボールの時はどうかな?』

そんな風に状況とその時の声を全員に出してもらいました。

その状況の時に何をすればいいかわからないのであれば

声も出るはずがありません。

声を出せ!

と言うより・・

声を回させること。

声を出せ!

と言うより・・

指示の声の量を増やしてあげること。

指導する側も『声を出せ』だけの一辺倒ではなく・・

角度を変えることで子供たちは活きた声を出すようになってきます。

*講演会にお邪魔させていただいたチームの練習も見学させていただくことも可能です。

講演会のご依頼はホームページのトップページからご覧ください。

~年中夢球~

 

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。