少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

高校野球最後の夏・・ライバルからの贈り物

先日、私の所に届いたメッセージです。

素敵なお話なのでご紹介させていただきますね。

仲間ではなくライバル

僕には『ライバル』がいました。

僕は高校2年の秋の大会の時・・

背番号『5』をもらいスタメンでサードとして試合に出場していました。

そこからバッティングで思うような結果が出せずに・・

春の大会では『15番』でスタメンから外れ試合に出ることも一度もありませんでした。

『5番』は秋の大会で『15番』を付けていた彼でした。

彼とは仲が悪いわけでもなく・・

普通に会話もする間柄でした。

三振しろ・・

ですが・・

『仲間』というより『ライバル』・・

春以降は『ライバル』というかっこいい言葉ではなく『敵』のような感覚さえあったと思います。

練習試合で彼が試合に出ると・・

『エラーをしろ』

『三振をしろ』

そんな風に思っている自分に気が付きました。

いつしか・・

自分が正々堂々レベルアップして『5番』をもらうことより・・

彼が脱落することを望んでいる自分が強いほうがいました。

そんな自分が嫌で嫌で仕方がないのに・・

その気持ちが消えることもありませんでした。

次第に・・

彼との会話も自然と少なくなってきました。

最後の夏の前・・

6月のオープン戦で・・

彼は足を骨折。

背番号5は僕の所にやってきました。

あんなに欲しかった『背番号5』

ですが・・

僕は後ろめたさを感じていました。

失敗しろと思っていた彼に対しての罪悪感。

彼はメンバーからも外れました。

彼からの贈り物

それからしばらくして・・

練習が終わった後に彼からグローブをもらいました。

『これ・・良かったら試合で使ってくれよ』

彼はそう言って僕に自分の使っていたグローブを差し出しました。

ボロボロと涙があふれてきて・・

試合中に失敗すればいいと思っていたことを彼に告げました。

『俺も同じ様なことと思ってたよ』

苦笑いをした彼はつづけてこう言いました。

『だけど・・嫌いじゃなかったし。ずっとお前のことも認めてたからこのグローブを最後の大会でお前に使って欲しいんだよ』

最後の夏に・・

僕らはこうして一緒に戦いました。

あの夏から10年経ちますが・・

今では一番の親友になっています。

~年中夢球~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。

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