少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

高校野球最後の日に母だけに見せた涙

笑顔がトレードマークだった息子。

その笑顔が大好きだった母。

そんな母と子の高校野球最後の日のお話です。

笑顔の息子

私たち親子の夏が終わりました。

小学校1年から始めた野球・・

12年間の終わりを告げた日でした。

笑顔がトレードマークだった息子。

『一博の笑顔って本当に癒されるよね』

『一博の笑顔のお陰でチームが明るいんだよね』

そんな声をたくさん掛けていただきました。

そんな息子に

『最後も笑顔で終わろうね』

そう話していました。

最後の夏・・

息子は『三塁コーチャー』でした。

本間さんのブログを読んでいなかったら・・

最後の夏が三塁コーチャーという事実を受け止められなかった自分がいたと思います。

三塁コーチャーという役割・・

その場所で思いっきり咲いて欲しいと思えるようになったのは本間さんのお陰です。

息子の夏は・・

4回戦で終わりました。

泣き崩れる仲間を笑顔で慰める息子。

その笑顔で立ちあがる仲間達・・

息子らしい夏の終わり方だと思いました。

ラストミーティングの短い一言

球場の外でのラストミーティング。

他の選手が泣きながら親や監督さんへ一言を話していました。

しかし・・

息子だけはいつもの笑顔で

『お母さん、今までありがとうございました』

その短い一言だけ。

ラストミーティングが終わり・・

3年生の何人かがご飯を食べに行くことに・・

息子は

『俺は今日はいいや!また今度!』

そう言って笑顔で仲間と別れました。

『本当に行かなくていいの?あんた?』

そう聞くと

『ちょっと疲れたから今日はいいよ』

と言う息子。

笑顔だった息子が・・

車に乗って二人で帰宅する途中。

後部座席から・・

息子のすすり泣く声が聞こえて来ました。

その泣き声はやがて大泣きへと変わっていきました。

その涙が負けた悔しさなのか・・

バッターボックスに立てなかった悔しさなのか・・

私にはわかりませんでしたが・・

きっと・・

みんなの前で泣けなかったのだと思います。

みんなの前では笑顔で終わりたかったのだと・・

だから・・

私への挨拶もあえて短く・・

そして・・

みんなとの食事にも行かなかったのだと思います。

笑顔でいられる自信が息子にはなかったのだと・・

『笑顔で終わろうね』

そんな私の一言もプレッシャーに感じさせてしまったのかもしれません。

泣いている息子に一言だけこう言いました。

『たくさん泣いていい日だよ。笑顔じゃなくてもいいよ』

いつも笑顔がトレードマークだった息子。

私だけに見せてくれた涙。

これも母の特権だったのかもしれません。

最後の夏は笑顔で終わることは出来ませんでしたが・・

私には嬉しい涙でした。

~年中夢球~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。

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