少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

林コーチの涙

今日は保土ヶ谷球場に行きました。

第一試合 横浜桜陽対市立金沢

第二試合 横浜商業対星槎国際

横浜桜陽の林。

横浜商業の稲妻。

二人の教え子の夏が終わりました。

グラウンドに入れない 

以前にも書きましたが・・

横浜桜陽の林は1年間リトルのグラウンドのに入れない子でした。

グラウンドの前まで来てもグラウンドに入れない・・

1学年上のうちの娘が手をとってグラウンドの中まで一緒に行こうとしても・・

グラウンドに入れない子でした。

父はコーチ。

自分の子がグラウンドにいなくても父である林コーチはグラウンドに立っていました。

我が子がいないグラウンドは父にどう見えていたのでしょうか。

母は子供が来なくても1年間当番をやりぬきました。

我が子がいないグラウンドは母にどう見えていたのでしょうか。

もう。。限界・・ 

彼は一人っ子です。

父と母がグラウンドに来ると彼は家に一人でいることになります。

『大丈夫なの?』

そう聞くと母が・・

『玄関で私たちが出ていく姿を彼がどう思ってくれてるのかな・・って思って・・』

そう言ったことがあります。

父も母も・・

辛い時だったはずです。

一度だけ・・

『もう限界だよ・・辞めさせて欲しい』

父と母が私にそう言ったことがあります。

でも・・

林は

『野球を辞めたい』

とは一回も言ったことがなかったんです。

林は1年経って・・

グラウンドに戻ってきました。

マウンドには林の姿が・・・ 

今日の相手は第一シードの市立金沢。

そのマウンドには林の姿がありました。

もう・・

それだけで涙がでてきてしまうんですね。

あの彼がこのステージにいる。

野球を続けてきた。

何人もの教え子の高校野球を見て来ましたが・・

今までにない感覚でした。

彼のお父さんは最終学年で父母会長を務めました。

父も・・

母も・・

このステージにいる我が子が当たり前ではないという事を一番わかっていたんだと思います。

試合は残念ながら負けてしまいました。

球場の外で林に声をかけました。

『このステージに立っているお前を見れて良かった。あの時のお父さんとお母さんの姿を絶対忘れるなよ』

そう言った後・・

父に会いました。

もう・・

父の姿を見るだけで泣けてしまって・・

二人で抱き合って泣きました。

『泣くつもりなかったのに・・本間ちゃんずるいよ』

そう言って涙と笑顔でくしゃくしゃな顔の林コーチ・・

いや・・

林の父の姿がありました。

高校野球は奇跡 

やっぱり・・

高校野球を最後までやり遂げるのは・・

奇跡なんだ。

そう思えた一日でした。

Y校の稲妻の夏も終わりました。

私の教え子の神奈川の夏は終わりました。

あとは・・

長野の佐久長聖の小嶋だけです。

甲子園まであと一つ。

みんなの想いを乗せて・・

小嶋・・

あと一つで甲子園へ。

~年中夢球~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。

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