少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球~試合に応援に【行けない】母にチームメイトの親が送ったLINE~

子供が野球をしていると親の協力はどうしても必要になってきます。

お当番…審判…

特に学童野球やクラブチームはその協力は必要になってきます。

しかし…

親御さんの生活環境もあります。

「行けない」と「行かない」は違います。

その記事はこちらから↓

少年野球~子供の応援に『行かない』と『行けない』は違います~

以前私のチームに「行けない」親御さんがいらっしゃいました。

夫婦でお店をなされている親御さんで中々グラウンドにも顔を出すことは出来ませんでしたが

合間を縫って顔を出してくれていました。

でも…

たまにしか来れないので、何をしたらいいのかわからないんですよね。

「私に何か出来ることがあればおっしゃってください」

「これはどこに運んだらよろしいですか」

普段来れないことに申し訳なさを募らせていらっしゃたのだと思います。

こういう時には何も言われないことの方が苦しくなったりするものです。

それを察していたのかチームの母達も・・

「3回が終わったら審判さんにお茶だしだから一緒に行きましょうね」

「ジャグに飲み物足すのを一緒にやりましょう」

「試合の時は子供の姿を見てあげてね!」

周りのの母達も【来れない】この母の気持ちを皆わかってくれていました。

行けない想いをお弁当に・・

お弁当の時間…

そのお母さんの子供のお弁当がいつも美味しそうなんですね。

豪華というのではないのですが…

愛情がたくさん詰まっている手作りのお弁当というのが見てすぐわかるお弁当でした。

中々グラウンドに行けない我が子に「お弁当」だけはという想いがあったのかもしれません。

その子に…

「お前のお弁当は毎週美味しそうだなあ」

と私が言うと

「美味いっす!」

とニッコリしてそう答えてくれました。

最後の公式戦にお母様の姿はありませんでした

この選手は、試合に出ることが出来ませんでしたが

卒団前にメキメキと力を伸ばし最後の最後にスタメンの座を手に入れました。

最後の大会…

彼は全ての試合にスタメンとして出場し活躍をしました。

ですが…

お母様はお仕事が忙しく1度も見に来ることは出来ませんでした。

我が子の姿を見たかったはずです。

我が子がバッターボックスに入る姿。

我が子が走る姿。

仲間とハイタッチする笑顔。

最後の試合で負けて流した涙。

見たくても…

見れなかったのです。

卒団式の時に彼は・・

卒団式の時…

お母様が来てくださいました。

私のチームは選手と親の挨拶があります。

選手の挨拶…

彼の口からこんな言葉が出てきました。

「お母さん…お母さんはいつも謝ってばかりでした。

僕には【いつも試合を見に行けなくてごめんね】

グラウンドに来ては【他のお母さんたちにはいつも来れなくてすみません】

だけど、僕はお母さんにありがとうと言いたいです。

お店が忙しいのにいつも早く起きてお弁当を作ってくれてありがとう。

お母さんのお弁当のお陰でここまで大きくなれました。

中学でも野球をします。

でも・・中学の試合に来れなくてももう謝る必要ないからね。」

母の想いはちゃんと届いてたんですね。

お母さんは溢れる涙を止めることを出来ませんでした。

公式戦前日のLINEで・・

最後の公式戦の前日に…

お母さんは母の連絡LINEに

「明日も仕事で行けません。最後の最後までご迷惑をお掛けしてすみません」

そう入れたそうです。

私もそのLINEを後から見せていただいたのですが…

他のお母さん達から…

「○○の応援、私たちに任せといて!」

「迷惑だなんて誰も思ってないよ!」

「勝ち上がって行けば応援に来られるかもしれないから子供たちにがんばってもらおう!」

「仕事で忙しくて見れないだろうけど速報任せといて!」

こんな言葉がその母に返ってきたそうです。

試合の日もたくさんの速報・・

子供のプレー・・

そして何枚もの写真が他のお母様からこのお母さんに送られてきたそうです。

グラウンドにはたくさんの父と母がいた

卒団式の時・・

お母さんはマイクを持って泣きながらこう話しました。

『最後の公式戦の時・・LINEが鳴る度に【息子打ったよー!ナイバッチ!】【いい笑顔で野球してるよー】

とたくさんの言葉とたくさんの画像を送ってくださる度に涙が出てきました。

たくさんの父と母の方に可愛がっていただいてあの子は本当に幸せでした。

グラウンドになかなか行けない私たちでしたが、この子はグラウンドにはたくさんの父と母がいたのだと思います。

本当に本当にありがとうございました』

そうおっしゃって何度も何度も頭を下げていました。

母達のファインプレー

行けない親と行かない親は違います。

行けない親御さんの気持ちを察してあげたこの時のお母さん達・・

『大ファインプレー』ですよね。

そして・・こういう年代は親だけでなく子供も『チームワーク』がとれています。

親の姿を子供たちはきっと見ていたのだと思います。

~年中夢球.photo buchiko~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。

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